かみもと眼科

神戸市東灘区の眼科,コンタクトレンズ かみもと眼科

〒658-0015 兵庫県神戸市東灘区本山南町8-5-25
オルゴグラート本山1F
TEL 078-862-5100

▲Mobile Site

アクセスカウンター

HOME»  当院の治療を受けられる患者さまへ»  加齢黄班変性症に対する抗VEGF薬

加齢黄班変性症に対する抗VEGF薬

1.治療の背景

加齢黄班変性症は、加齢により網膜の中心である黄班部に起こる、慢性的、進行性の疾患で、視力低下や変視症(ゆがんで見える)をきたし、進行すると失明の危険性もあります。
この加齢黄班変性症は萎縮型と滲出形型に分けられます。
が、滲出方は脈絡膜新生血管という異常血管の増殖によって起こると考えられています。特に中心窩(黄班の中心部)に脈絡膜新生血管ができると著しく視力が低下します。
この脈絡膜新生血管の増殖には血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)という物質が関与していて、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の働きを抑制すると、脈絡膜新生血管を伴う加齢黄班変性症において、新生血管の増殖を抑え、視力低下を軽減する効果があることがわかっています。
今回の治療では、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の阻害剤である2種類の薬剤、アフリベリセプト(商品名:アイリーア)もしくは、ラニビスマブ(商品名:ルセンティス)を眼球の中に注射します。

2.薬剤ならびに治療の方法について

(1)薬剤について
本治療で使用する薬剤はアイリーアもしくはルセンティスといいます。体の中で血管新生に関係する血管内皮細胞増殖因子(VEGF)という分子の作用を抑える働きがあります。

(2)治療の方法
外来通院で、治療は手術室で行います。点眼麻酔(目薬)の後、アイリーアもしくはルセンティスを眼球の中にある硝子体に注射します。注射後は治療効果が見られるか、副作用、有害事象が起こっていないかを調べるため治療の翌日に診療を受けていただきます。

その後も、視力検査、眼圧検査、眼底検査、眼底造影検査などの検査を定期的に行います。通常、注射は4週間に一度の間隔で3回おこないます。
その後の注射を続けていくかどうかは経過をみて判断します。

(3)予想される効果
海外での集計によると、1年間(4週間ごとに注射)治療を続けた人の90%以上の人に視力の維持または改善を認め、約25%の人に視力に視力の改善を認めています、ただし、視力が著しく低下した人も約1%おられます。

(4)危険性および副作用
副作用および有害事象としては、眼痛、結膜出血、眼圧上昇、眼の異物感、眼の充血、網膜剥離、硝子体出血、網膜出血、網膜裂孔、水晶体損傷、白内障、眼内の炎症、眼敏感症、硝子体混濁、視力低下、飛蚊症、角膜炎、硝子体浮遊物などがあります。
軽度の眼圧上昇に対しては数時間で眼圧はもとに戻りますので大きな心配はいりませんが、眼圧を下げる処理、薬剤投与を行う場合があります。
ただし、緑内障にかかっておられる方には、アイリーアもしくはルセンティスによる治療を行わない場合があります。
硝子体出血、網膜剥離、感染症などの合併症の頻度は非常に少ないですが、場合によっては、薬剤による治療、手術が必要になります。
ごみが飛ぶ、充血、眼が痛い、霞み、視力が下がった、というような症状に気をつけていただき、それ以外でも、異常を感じられましたら、遠慮なく申し出てください。また、感染症予防のために術前術後に抗生剤(ばい菌を殺す薬)の点眼をしていただきます。

3.治療に関する問い合わせ・質問等について

この治療について何か分からないことや心配なことがありましたら、いつでも担当医師にご相談ください。

加齢黄斑変性症に関する情報はこちら