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30~40代の人に多く、網膜の中心部分である黄班部が腫れてしまい、軽度の視力低下、視野の中心だけ暗く見える、物がゆがんで見えたり、小さく見えたりします。網膜の外側には、脈絡網と呼ばれる血管の豊富な組織があります。
網膜と脈絡網の接点には網膜色素上皮層と呼ばれる組織があり、通常はこの層が脈絡網からの水漏れを防いでいます。
しかし、なんらかの影響でこの層に水漏れが起こり、脈絡網の血漿成分が網膜の裏側に入り込んで、物を見る上で最も大切な黄班部にたまって、水ぶくれのような腫れを生じます。つまり、局所的な網膜剥離が起きるのです。
この原因はわかっていませんが、肉体的・精神的ストレスが誘因になると考えられています。
網膜中心部分で剥離が起きると、正常な像を結べなくなり、視力に障害がでるのです。
30%の方に再発が見られます。
1年近く経過が延びたり再発を繰り返すときは、網膜に変化がおきて、充分な視力の回復を得られない場合もあります。
この病気の診断は眼底検査やOCT(網膜光干渉断層撮影)で比較的容易にできますが、血管からの染み出しの部分(漏出点)を見つけるためには造影剤を用いた蛍光眼底造影検査を行います。この病気には自然治癒傾向がありますが、再発することが多いので注意が必要です。
薬物療法は治癒を促進する目的で行われます。
染み出しの部分が黄班の中心(中心窩)から離れている場合は、レーザー治療が行われることもあります。
レーザー治療には、回復までの期間を早めたり再発を予防する効果があります。
ただ、漏出点がわからなかったり、漏出点が中心窩と重なっている場合は、光凝固はできません。
この病気は、ほうっておいても自然になおることもありますが、再発しやすくなり、また、黄班部の腫れを長いこと放置しておくと、視力がもとにもどらないこともあるので、きちんと治療を受けたほうが良いでしょう。
網膜色素上皮の障害部位が、黄班部の中心部分から離れている場合は、レーザーによる光凝固術を行います。
レーザー光凝固術は、脈絡網からの漏出点にレーザーを照射し、細胞を凝固させます。
こうすることにより、凝固された細胞を修復しようと活動が活発化し、結果バリア機能が再構築されます。
この後、漏出した液の吸収が始まり、数週間後には自覚症状が改善されます。
麻酔の目薬をしたあとにレーザー用のコンタクトレンズをつけて行います。
多少の痛みを伴う場合がありますが、10分から15分程で1回の治療は終わります。
また必要に応じてレーザーを追加する場合があります。
レーザー直後は暗く感じて見えにくくなることがありますが、普通は15分程で戻ってきます。
当日は特に安静の必要はなく日常生活に制限はありません。
この治療について何か分からない事や心配なことがありましたら、いつでも担当医師にご相談ください。